2011年5月31日火曜日

膵臓がん新薬を承認

すい臓がん 新抗がん剤承認へ

海外の70か国以上で承認され、国内のすい臓がんの患者らが承認を求めていた抗がん剤「タルセバ」について厚生労働省の審議会は、30日、承認してもよいという意見をまとめ、来月にも承認される見通しになりました。

すい臓がんの抗がん剤は国内ではこれまでに2種類しか承認されておらず、患者や家族からは海外70か国以上で標準的な治療薬と して使われているタルセバの承認を求める声が相次いでいました。これについて30日に開かれた厚生労働省の審議会は、専門の医師の指示の下で使用し、すべ てのケースについて経過を調査をすることを条件に承認してもよいという意見をまとめました。このほか、子宮頸がんの新たなワクチン「ガーダシル」や、乳幼 児に胃腸炎を引き起こすロタウイルスの感染を予防するワクチン「ロタリックス」についても承認してもよいとされました。ロタウイルスのワクチンが承認され るのは、国内で初めてです。厚生労働省はこれらの薬について、早ければ来月末にも正式に承認する方針で、タルセバについては使用の際に保険が適用されるこ とになりました。

2011年5月31日 NHKニュース

笑いでがん細胞退治

笑いでストレス軽減 医師兼笑い療法士

「笑う門には福来る」を地でいくような資格「笑い療法士」。深刻化するストレス社会で、ぜひとも力を貸していただきたい方だ。鳥取県内でただ一人、この資格を持つ鳥取市の医師森田祐司さん(36)に、笑いを健やかな人生につなげるヒントをうかがった。

――笑い療法士になったきっかけは?

島根県の隠岐の島で勤務医をしていた頃、島根医科大(現島根大医学部)時代の指導教授から勧められた。最初は、眉唾(まゆつば)ものと思ったが、笑うこと がなぜ良いのか脳の仕組みを知るため「大脳生理学」を勉強し、笑いの起源や種類に関する講義を受けてみると、なかなかおもしろくて、2007年に取得し た。

――笑いの効果とは。

人は笑うことで免疫力が上がることが学術的にも分かっている。がん細胞と戦うナチュラルキラー細胞を活性化させ、免疫機能を正常化させるといわれている。また、ストレスを感じると増加する唾液(だえき)中のホルモン、コルチゾールの分泌が笑うことで減っていくことも分かっている。つまり笑うことで、ストレスを軽減できるというわけだ。

――笑いに種類があるそうで。

人には主に三つの笑いがある。大笑いや愉快なときに出る「快の笑い」、愛想笑いなどの「社交上の笑い」。そして、緊張がゆるんでホッとしたときに出る「緊 張緩和の笑い」。たとえ愛想笑いであってもナチュラルキラー細胞が増加したという報告もある。だから心からおもしろくなくても、笑顔を作るだけで体にも良 いとされる。

――どう診療に生かしているのですか。

資格を取ったからといって、何か特別なことが出来るわけではない。落語をしたり道化師になってみたりして、積極的に笑いを提供する人もいますが、私は患者の緊張を解きほぐして自然と笑顔がこぼれる環境を心がけている。

例えば、患者さんの目を見て話すこと。当たり前のことですが、いまはパソコンに向かって仕事する医者も多く、パソコンを見ながら「大丈夫です」と話して も、患者には伝わらないでしょ。あとは相手を否定することをしないこと。どんなに悪い診断結果が出ても「そんな食生活は駄目でしょう」と言われると、患者 もかたくなな態度を取ってしまう。医者としては当たり前のことだけど、そうではなく「こんなに結果が悪くても今まで元気にやってこられたのは、何かいいこ ともあったんじゃないですか」と肯定することで緊張をほぐせれば、患者と医者との信頼関係も出来やすいし、今後の治療もやりやすくなる。

――なぜ病院で必要ですか。

自分も勤務医として体験したが、医者が上から目線で患者に話している。「医者の言うことを聞いていればそれでいい」といった対応が多かった。病院では待た されるのも当たり前で、患者は我慢するのが当たり前になっていた。そんな患者に緊張ばかり強いるのは病気を治す環境ではない。なので、話し方や癒やしの空 間を与え、リラックスできる環境で診療していくことが医療として理想ではないかと思う。

ただ、この資格は医師限定ではなく、看護師も 持っておられるし、自分で笑うことで元気になりたいと願う患者さんも取得している。また、会社の中で職場のメンタルヘルスに役立てようと活動されている人 もいる。病院を離れて会社や家族でも、笑うことがとっても良いことだと分かってもらうのが笑い療法士の仕事なんです。

2011年5月30日 朝日新聞

最新鋭の追尾照射放射線がん治療

がん・感染症センター都立駒込病院が追尾照射機能搭載の放射線治療装置 MHI-TM2000を導入

三菱重工業(東京都港区)が25日発表したところによると、同社の開発した放射線治療装置 MHI-TM2000の、がん・感染症センター都立駒込病院(東京都文京区)への導入が決まった。呼吸などにより揺れ動くがん病巣をリアルタイムに追尾し、狙った病巣のみをピンポイントで連続照射できる追尾照射機能を搭載した最新鋭の装置。同装置の累積受注台数は11台となる。

がん・感染症センター都立駒込病院は、がんと感染症の診療を重点に掲げる代表的な医療機関。現在、老朽化した施設・設備を改修中で、三菱商事などが出資するSPC(特別目的会社)を設立し、病院PFI事業を進めている。今回の装置導入もその一環。この装置による治療開始は2012年を予定しているという。がん放射線治療で、放射線を病巣に正確に照射するた めには、位置合わせに多大な時間と労力が必要で、より効率よく照射できる機能の開発が求められていた。MHI-TM2000によれば、世界最高レベルの精 度の正確な放射線照射を可能となり、患者の正常組織への副作用を極力回避するだけでなく、医療スタッフの負担も大きく軽減するという。

2011年5月31日 医療人材ニュース

子宮頸がん予防ワクチンの承認

第二の子宮頸がん予防ワクチンの承認を了承 - 薬食審・医薬品第2部会

国内2製品目の子宮頸がん予防ワクチンとなるMSDのガーダシルが、6月にも正式承認されることが確実になった。5月30日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で承認が了承された。先行するグラクソ・スミスクライン(GSK)のサーバリックスが、子宮頸がんの約70%の原因を占めるとされるヒトパピローマウイルス(HPV)の16、 18型に対して有効なのに対し、ガーダシルは16、18型のほか、尖圭コンジローマの約90%の原因である6、11型にも有効なのが特長だ。サーバリックスと同様、計3回、筋肉内接種する。

GSKはサーバリックスを2007年9月に承認申請、09年12月に発売した。これに対し、 MSD(当時、万有製薬)はガーダシルを07年11月に承認申請したものの、「一度申請が取り下げられ、再申請された」(厚労省審査管理課)経緯があり、サーバリックスに大きく後れを取る結果となった。

サーバリックスは昨年11月に公的助成が始まり、接種者が大幅に増加したことから品薄状況が続いているが、GSKの担当者によると、夏ごろまでには解消されるという。一方、ガーダシルの接種に対する助成について、厚労省結核感染症課は「今後検討する」としている。

海外での状況を見ると、ガーダシルは130か国以上、サーバリックスは110か国以上で承認を取得している。MSDの米国本社(メルク)、GSKの英本社の昨年通期決算によると、ガーダシルの全世界売上高は9億8800万ドルで、サーバリックスの3億7500万ドル(日本での売り上げを含む)を大きく上回っている。

このほか承認を了承されたのは、▽中外製薬の抗がん剤タルセバの膵がんの適応追加▽GSKのロタウイルスによる胃腸炎予防ワクチン・ロタリックス▽協和発酵キリンの抗アレルギー薬アレロックの小児用量の追加▽MSDの皮膚T細胞性リンパ腫治療薬ゾリンザ▽ノバルティスファーマの慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬オンブレス▽アボットジャパンの関節リウマチ治療薬ヒュミラの若年性特発性関節炎の適応追加▽MSDのMRSAに対する抗生物質キュビシン▽ファイザーの抗生物質ジスロマックの新投与経路(注射剤)―。

2011年5月31日 ミクスONLINE

悪性度の高い前立腺がん防止に有効

コーヒーで前立腺がん予防

コーヒーを多く飲む男性は前立腺がんになる危険性が低いとの調査結果を、米ハーバード大の研究チームが米国立がん研究所雑誌に発表した。特に悪性度の高いがんの予防効果が顕著だという。
チームによると、登録した男性約4万8千人を20年間追跡すると、約5千人が前立腺がんを発症した。コーヒー摂取量との関係を解析すると、1日に6杯以上飲む人は飲まない人に比べ、前立腺がん発症の危険性が18%低く、中でも進行が早かったり転移したりする悪性度の高い前立腺がんでは60%も低かった。

カフェインの有無で違いはなかったことから、それ以外の成分が発症防止に有効だったとみている。

2011年5月31日 47News

2011年5月27日金曜日

医者いらずの抗がん茶

医者いらずのパパイヤ葉茶

今回はタイでオーガニック栽培されているパパイヤの葉から作るパパイヤ葉茶をご紹介致します。 オレンジ色に熟したパパイヤは南国フルーツとして有名ですが、一方で、熟す前の青パパイヤとパパイヤの葉はオーストラリアやアジアの国では昔から民間薬として利用されています。

タイのパパイヤ農園に葉を買いに行った時のこと、農園の方に「薬を作るのですか?」と聞かれました。タイではパパイヤの葉を薬の代用品として使っているご家庭もあるらしいです。

タ イには至る所にパパイヤ農園があり年中豊富に収穫できます。その上、当茶工場で簡単にパパイヤ葉茶を作れるという好条件が整っていることから製造決定まで に時間はかかりませんでした。2010年3月10日、AFPニュースで「パパイアに著しい抗がん特性、日米共同研究」というニュースが報じられました。調 べるにつれ、実際飲むにつれ、驚くことしきりです。抗がん効果に限らず、糖尿病や高血圧等にも効果的、抗炎症効果、免疫力アップ、 ダイエット効果、美容効果など書ききれない程の体に良い効果があることがわかってきました。抗酸化作用がプロポリス、ノニジュースと比べ数十倍もあり、ポ リフェノールの量も烏龍茶に比べこれまた数十倍多いとのこと、豊富に含まれるビタミンCがコラーゲンの生成を助けたりもするそうです。

パ パイヤ葉に含まれる成分は体の悪くなった部分だけを見つけて治そうとするセンサーのようなものがあり、正常細胞には影響を及ぼさない、つまり副作用が無い ことが報告されています。またカフェインも含まれていませんので、安心して飲むことが出来ます。バンコク、チェンマイでは老若男女、国籍を問わずじわりじ わりとパパイヤ葉茶のファンが増え、リピートされています。

実 際に飲んでいる方は揃って「便秘が治った!便がたくさん出る!」と言われます。たんぱく質や脂肪分を分解する強力な消化酵素による働きで、数ヵ月後には体 重が減少します。私自身も、便の出方、肌の調子、体調から体の中に溜まっていた老廃物や毒素がどんどん体外へ排出されていることを実感しています。体重は マイナス4kg、体脂肪は26から20になりました(タイ人女性がデトックスしたい時にソムタム(青パパイヤサラダ)を食べる習慣があることも理にかなっ ています)。

男性からは「二日酔いにならない」「胃酸過多だったのが良くなった」「男性機能がアップした」などの感想が寄せられています。気になるお味の方は、ゴーヤに似たような少し苦味がありますが、香ばしく甘みもあり、飲みやすく、くせになる味です。

青パパイヤの乾燥させた物を混ぜてみると甘みが増しておいしいので、お茶に混ぜることを検討しているところです。パパイヤ葉茶はと闘う人にとって安価で効果の高い民間療法に成り得ること、また健康維持に大変役に立つことから、他の茶の紹介とは一味違った喜びを感じております。もし癌治療の為にパパイヤ葉茶を飲まれる場合はクリニックの先生にご相談されることをお勧めします。

2011年5月27日 International Business Times

オトギリ草の茎から抗がん効果

プロファイリングで、抗がん剤候補物質の作用機序を解明
-独自のプロテオームプロファイリングシステムで薬剤標的を迅速同定-

抗がん剤や 抗生物質など病気の治療薬には、天然物質やその誘導体から生み出されることがしばしばです。候補となる物質を探査し、その作用や効果が確実になって初めて 薬として誕生しますが、どのような標的に作用し、どのような機序で効果を発揮するのか、という仕組みを明らかにするには膨大な時間と労力が欠かせません。

基幹研究所ケミカルバイオロジー研究基盤施設の研究グループは、独自に開発した、薬剤の作用に応じて細胞が固有のタンパク質変動を誘導する性質を利用したプロテオームプロファイリングシステムを駆使し、新規抗がん剤候補の作用を解明することに成功しました。

こ れはまず、作用既知の多種の薬剤についてタンパク質変動を網羅的に解析したデータを取得し、データベース化します。次に、解析対象である作用未知の候補物 質のタンパク質変動データを取得し、それをデータベースと統合しプロファイリング解析し作用標的・作用機序を予測します。

研究グループはこのシステムを用い、ブラジルに自生するオトギリ草の茎から抽出した成分を基にした、強力な抗がん効果が見込める誘導体BNS-22 の作用機序を解明しました。その結果、DNAトポイソメラーゼIIと呼ぶ酵素を標的にするという予測を得るとともに、試験管や細胞レベルで実験的に、この酵素を特異的に阻害していることを明らかにしました。 DNAトポイソメラーゼIIはがん治 療の有望な創薬ターゲットの1つで、その阻害剤は作用機序の違いにより、「トポ毒」型と「触媒阻害」型に分類されます。今回のBNS-22は「触媒阻害」 型ですが、この型の研究は十分に行われておらず、今後BNS-22が、作用機序の異なる新しい型の抗がん剤候補になると期待されます。また、独自に構築し たシステムにより高精度、かつ迅速な新規物質の標的予測ツールとして、創薬研究に広く活用されることが期待されます。

2011年5月27日 プレスリリース

2011年5月26日木曜日

1センチ大のがんなら完全に治せる

がん治療にケイ素が有効 光線力学療法で群馬大発見

早期がんを治療する光線力学療法で、治療薬にケイ素を組み込むことでがん細胞の殺傷能力が格段に高まることを、群馬大の研究チーム(代表・堀内宏明助教)が突き止めた。マウスを使った実験では、治療から6日間でがん細胞がほぼすべて消えたという。
光線力学療法は、治療薬を患部に入れ、赤色光を当て、活性酸素を発生させる。活性酸素ががん細胞を攻撃するという仕組み。
副作用が少なく、手術や抗がん剤などの化学療法と比べて患者への負担が少ないとされる。国内では治療薬「フォトフリン」や「レザフィリン」が承認されている。
実験では、がん細胞を移植したマウスに、ケイ素を組み込んだ治療薬を注射し、約4時間後に可視光を照射した。がん組織の大きさは2日後に約50%に、3日後に約25%まで減り、6日後にほぼ消えた。がん組織はかさぶたのように黒くなったという。
これに対し、同じ条件で「レザフィリン」を用いた場合、6日後、がん組織の大きさは注射前とほぼ変わらなかった。
治療薬には、光を吸収しやすい性質がある物質が使われている。この物質にケイ素を結合することで、治療薬ががん細胞に集まる効率がレザフィリンに比べ約1.2倍に高まったという。
堀内助教は「この療法がうまくいけば、体への負担が小さい、がんの治療法が完成するかもしれない」と期待する。研究チームは治療薬を改良し、実用化を目指している。
ただ、光線力学療法では、深部に赤色光が届かないため、治療できるのは初期の肺や胃がんなどに限られる。また、治療薬はがん細胞以外の細胞にも入るため、すぐに明るい場所に出ると正常な細胞も傷つける恐れもあるという。
研究成果は3月の日本化学会春期年会で発表されたという。ケイ素や炭素の働きを研究する群馬大の「エレメント・イノベーション」は27日、桐生市織姫町の桐生地域地場産業振興センターでシンポジウムを開き、研究について発表する。

〈  新座志木中央総合病院(埼玉県)
   名誉院長・加藤治文さん (日本光線力学学会会長)  〉 
現在の光線力学療法では表面にできた1センチ大のがんであれば完全に治せる。今回の発見によりさらに大きいがんに効果があると期待できる。

2011年5月26日 朝日新聞

骨髄腫(血液がん)の新薬に副作用

多発性骨髄腫の薬、副作用の可能性 感染症死10人

多発性骨髄腫の治療薬「レナリドミド」(販売名レブラミド)について、厚生労働省は25日、2010年7月の国内発売から約半年間で、使用後に感染症で死亡した人のうち、薬の副作用の可能性が否定できないケースが10例あった、と発表した。

厚労省によると半年間の使用者は約2500人で、薬を使った後に感染症の症状が出た事例は計100例報告された。死亡した患者は高齢者が多いという。

多発性骨髄腫は血液がんの一種で、病気により免疫が低下し、感染症にかかりやすくなるという。しかし同省は薬によってさらに感染しやすくなる可能性も否定できないとして、医師に対し、感染症の管理を再度徹底するよう求めている。

製造販売元のセルジーンは添付文書を改定し、重大な副作用欄に「感染症」を追加している。

2011年5月25日 朝日新聞

肺がん新薬が良好な結果

アステラス製薬 がん領域で個別化治療薬の開発を推進

ア ステラスファーマ グローバル ディベロップメントのスティーブン・ライダー社長は、アステラス製薬が5月25日に開いたR&Dミーティングで、バイオマーカーを用いた個別化治 療薬の開発を推進し、リーディングポジションを目指すことを強調した。主力の移植、泌尿器領域に次ぎ、第3の重点領域と位置づけるがん領域では、開発中の 抗体医薬のほかに、急性骨髄性白血病(AML)や非小細胞肺がんの領域で実現に向けた開発を進める方向であることを明らかにした。

同社ではバイオマーカー等の活用により、特定の患者セグメントに対し、高い効果を示す治療薬を「Precision Medicine」と呼び、特にがん領域(開発品目は15)で積極的に開発が進められている。

そのひとつが「AC220」。同剤は強力かつ選択性の高いFLT3チロシンキナーゼ阻害薬。急性骨髄性白血病(AML)患者では25~30%に FLT遺伝子変異が認められ、これらの患者は予後が悪いとされるが、AC220はこれらの患者に対し、診断法とセットで提供することで個別化治療薬になりえ得ると期待されている。

同 剤はAMLの適応取得を目指し、米欧でフェーズ2の段階にあり、今年後半に試験が終了する計画。P2試験の中間解析結果は今年6月の欧州血液学会 (EAH)で発表される予定。P1b試験の結果によると、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陽性患者に対する効果は、完全寛解[血小板の回復不完 全、血液の回復不完全を含む]が28%、部分寛解が28%だったのに対し、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陰性患者ではそれぞれ7%、13% と、FTL-3 ITD陽性患者で高い有効性を示した。

また、タルセバ(一般名:エルロチニブ)もPrecision Medicineの候補と位置づける薬剤。同剤はEGFR変異を伴う進行性非小細胞肺がんのファーストラインでの適応拡大を目指しており、特定の進行性非小細胞肺がんで良好な結果が早期に判明したという。米国で現在申請準備中。薬剤の開発を先行して実施し、診断法の開発は今後実施を検討しているという。

EGFR変異は欧米では肺がん患 者の10%、アジアでは30%に認められ、ライダー氏は「Precision Medicineの模範になる」と期待を寄せている。同剤は高いポテンシャルを有し、非小細胞肺がんのみならず、卵巣がん(維持療法のファーストライ ン)、肝細胞がん(ファーストライン)など14年までに多くの疾患での試験結果が判明する予定。

2011年5月26日 ミクスONLINE
アステラス製薬 がん領域で個別化治療薬の開発を推進

ア ステラスファーマ グローバル ディベロップメントのスティーブン・ライダー社長は、アステラス製薬が5月25日に開いたR&Dミーティングで、バイオマーカーを用いた個別化治 療薬の開発を推進し、リーディングポジションを目指すことを強調した。主力の移植、泌尿器領域に次ぎ、第3の重点領域と位置づけるがん領域では、開発中の 抗体医薬のほかに、急性骨髄性白血病(AML)や非小細胞肺がんの領域で実現に向けた開発を進める方向であることを明らかにした。

同社ではバイオマーカー等の活用により、特定の患者セグメントに対し、高い効果を示す治療薬を「Precision Medicine」と呼び、特にがん領域(開発品目は15)で積極的に開発が進められている。

そのひとつが「AC220」。同剤は強力かつ選択性の高いFLT3チロシンキナーゼ阻害薬。急性骨髄性白血病(AML)患者では25~30%に FLT遺伝子変異が認められ、これらの患者は予後が悪いとされるが、AC220はこれらの患者に対し、診断法とセットで提供することで個別化治療薬になりえ得ると期待されている。

同 剤はAMLの適応取得を目指し、米欧でフェーズ2の段階にあり、今年後半に試験が終了する計画。P2試験の中間解析結果は今年6月の欧州血液学会 (EAH)で発表される予定。P1b試験の結果によると、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陽性患者に対する効果は、完全寛解[血小板の回復不完 全、血液の回復不完全を含む]が28%、部分寛解が28%だったのに対し、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陰性患者ではそれぞれ7%、13% と、FTL-3 ITD陽性患者で高い有効性を示した。

また、タルセバ(一般名:エルロチニブ)もPrecision Medicineの候補と位置づける薬剤。同剤はEGFR変異を伴う進行性非小細胞肺がんのファーストラインでの適応拡大を目指しており、特定の進行性非小細胞肺がんで良好な結果が早期に判明したという。米国で現在申請準備中。薬剤の開発を先行して実施し、診断法の開発は今後実施を検討しているという。

EGFR変異は欧米では肺がん患者の10%、アジアでは30%に認められ、ライダー氏は「Precision Medicineの模範になる」と期待を寄せている。同剤は高いポテンシャルを有し、非小細胞肺がんのみならず、卵巣がん(維持療法のファーストライ ン)、肝細胞がん(ファーストライン)など14年までに多くの疾患での試験結果が判明する予定。

2011年5月26日 ミクスONLINE

前立腺がん予防に有効な食品

コーヒーで前立腺がん予防 米大研究チーム

コーヒーを多く飲む男性は前立腺がんになる危険性が低いとの調査結果を、米ハーバード大の研究チームが米国立がん研究所雑誌に発表した。特に悪性度の高いがんの予防効果が顕著だという。チームによると、登録した男性約4万8千人を20年間追跡したところ、約5千人が前立腺がんを発症。コーヒー摂取量との関係をみると、1日に6杯以上飲む人は飲まない人に比べ、前立腺がん発症の危険性が18%低く、中でも進行が早かったり転移したりする悪性度の高い前立腺がんは60%も低かった。

2011年5月26日 産経新聞

2011年5月25日水曜日

がん骨転移による骨病変の治療

骨関連疾患治療薬デノスマブで共同販促- 第一三共とアストラゼネカ

第一三共とアストラゼネカは5月24日、第一三共が国内で承認申請中のがん骨転移による骨病変の治療に用いる抗体医薬デノスマブの共同販売促進に関する契約を締結したと発表した。

同薬は、骨を破壊する破骨細胞の形成や活性化に必須のタンパク質であるRANKリガンドを標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体で、2007年に第一三共が米アムジェン社から導入した。

今回の契約は、がん骨転移による骨病変の適応に限られている。第一三共の広報担当者は、「アストラゼネカは、乳がん前立腺がん肺がんといったがん骨転移の多いがん腫の領域で評価が高く、共同販促によってマーケティング力をアップしたい」と話している。

第一三共によると、同社は現在、骨粗鬆症と乳がん補助療法の適応でフェーズ3試験、関節リウマチの適応でフェーズ2試験を国内で実施している。

2011年5月24日 キャリアブレイン

がん細胞を培養する理由

3次元がん細胞培養に成功  福井大高エネ研など

福井大高エネルギー医学研究センターなどは24日、ナノ(ナノは10億分の1)単位で加工されたプレートを用いて3次元(立体)がん細胞の培養に成功したと発表した。簡単、均一に高い再現性でがん細胞を培養できる世界初の手法で、がん治療法の開発、向上が期待される。

同センターや放射線医学総合研究所(千葉県)、バイオテクノロジー事業などを手掛ける会社「SCIVAX」(サイヴァクス)などの共同事業。昨年度まで同センター助教だった吉井幸恵・同研究所研究員が中心となり研究してきた。

従来のがん研究は、一般的に培養器底面の平面上で培養した2次元がん細胞を使っていたが、実際は立体構造である体内のがん細胞と多くの点で違いがあり、研究上の問題になっていた。3次元がん細胞も培養はされていたが、細胞の生存率や再現性が低いなど、抗がん剤開発には欠点が多かったという。

今回の研究では、ナノサイズの網目状のプレート上に、がん細胞をまき培養。がん細胞が自発的に移動、接着を繰り返し1週間ほどでがん細胞の塊が形成できた。増殖は2次元がん細胞とほぼ同じ速度で、高い生存率を維持。均一性や再現性も確認された。

この3次元がん細胞により、実際に体内でできる腫瘍のような立体的ながんが再現できた。塊の内部まで抗がん剤などの薬剤が効くのかなどの実験ができるようになる。

また、体内ではがん細胞が増殖し低酸素領域ができ、この領域では抗がん剤やエックス線治療の効果が少なくなるとされる。3次元がん細胞の塊の内部は、低酸素領域のがん細胞と似た性質を持つことも確認され、治療法の開発に有効としている。

吉井研究員は「人のがんの種類はさまざま。その人に最適な抗がん剤が提供できるようになれば」とさらに研究を進めている。岡沢秀彦同センター長は「新しく開発した薬剤の実験が簡単にできるようになる。がん治療が飛躍的に進歩する可能性がある」と話している。

2011年5月25日 福井新聞

2011年5月24日火曜日

舞踏家が直腸がん から復帰

がん克服「鷺娘」再び


◆舞踊家・長嶺ヤス子さん 30・31日披露 

直腸がんから復帰した舞踊家の長嶺ヤス子さんが30、31の両日、新宿区新宿3丁目のスペイン料理や舞踊が楽しめる「エル・フラメンコ」で日本舞踊の名作「鷺娘」を踊る。

長嶺さんは3月に直腸がんであることがわかって手術し、4月21日に退院したばかりだ。入院中の4月13~19日に銀座の松屋で開かれた絵画展には病院から通い、病室で仕上げた作品を持ち込んだ。

「医者は元通りの体になると言ってくれたけれど、入院で足の筋肉が落ちてしまった。今、作り直しているところ」。退院後、1週間ほど福島県猪苗代町の自宅に帰っていたが、愛犬との毎日の山登りがリハビリになったという。

「社会が沈んだ雰囲気の今だからこそ、私は踊らなければならない。立ち上がる私の姿を見て、勇気を持ってもらえたら」

「鷺娘」は、30年ほど前に踊ったことがある。今回は振り付けも新たに、長唄や津軽三味線を伴奏に踊る。

元々はフラメンコを踊る予定だったが、東日本大震災でスペイン人舞踊手が来なくなったため、予定を変更した。「エル・フラメンコ」も売り物であるスペイン人舞踊手によるショーは休止中で、6月中の再開をめざして現在は主にレストランとして営業している。

長嶺さんは「この店は日本のフラメンコの中心地。他国の文化が根付き40年以上続くのは珍しく、単なる店ではなく文化。日本のフラメンコの灯を絶やしてはいけない」と話す。

開演は午後7時(食事は午後6時)から。料金は2万円、1万5千円(食事込み)。問い合わせは長嶺ヤス子事務所(03・3384・7531)へ。

2011年05月22日
朝日新聞

10年治療で乳がんを卒業の患者達

乳がんからの「卒業式」、治療10年の患者たち 橋本

ほかのがんと比べてゆっくり進行するため、治療や経過観察に長い時間を要する乳がん。一般的に、手術から10年は定期的な通院が必要とされる。和歌山県橋本市の病院で23日、治療から10年を迎えた女性たちが集まり、乳がんからの「卒業式」が開かれた。
橋本市岸上の紀和病院。県内で初めて、乳がんの専門センターを設けた病院だ。この病院で10年間、治療や通院を続けてきた女性5人に、乳がんからの「卒業証書」や「生命」としたためられた色紙が贈られた。
梅村定司(ていじ)センター長が「最初の告知のときから、ずっと一緒にがんと闘えたことを誇りに思います」と語りかけると、出席した女性たちは「今では ゲートゴルフもできます。先生ありがとう」「体調管理をしっかりしながら、いろいろなことに挑戦していきたい」と、健康な体を取り戻した喜びと、医師への 感謝の言葉を口にした。
卒業式をしたのは初めて。「せっかくつらい治療を乗り越えてこられたのに、何もないのでは味気ない。何か形にできるものはないか」とセンターの医師や看 護師らが話し合い、卒業式を思いついた。「通院時に患者さんが見せてくれた笑顔に励まされた」というスタッフもおり、笑顔への感謝の気持ちも込めたとい う。
「卒業生」の一人、岩出市の主婦藤井田鶴子さん(56)は12年前、検診で乳がんの疑いがあることが分かり、紀和病院での診察でがんが見つかった。「何 の自覚症状もなかった。不安でいっぱいだった」と話す。その後手術し、10年間病院に通い続けた。「先生はどんな質問にも答えてくれた。先生のおかげで治 療を乗り越えられた」と感謝した。
梅村センター長によれば、乳がんは早期に発見すれば、ほぼ100%治る。しかし、女優の田中好子さんが乳がんで亡くなり、不安に思う患者が増えたという。
「がんを乗り越えられたみなさんの力強い姿を知って、今、闘病中の患者さんやご家族に勇気を持って欲しい」と話した。
紀和病院では月~金に診療(予約制)を受け付けている。問い合わせは電話(0736・34・1255)で。

2011年5月24日 朝日新聞

骨肉腫のがん細胞転移を予防

骨肉腫の転移、抑える物質を発見 鳥取大

細胞の機能を抑える性質を持つ物質が、骨のがんの骨肉腫が肺へ転移するのを抑える作用を持つことを、鳥取大学大学院医学系研究科の尾崎充彦助教(腫瘍〈しゅよう〉生物学)が発見した。国立がん研究センター(東京都中央区)の落谷孝広博士との共同研究で突き止め、アメリカの科学誌で発表した。骨肉腫は10代に多い病気で、新たな治療法の開発につながることが期待されている。

この物質は、遺伝子の働きにかかわるリボ核酸(RNA)の断片の一つとされる「マイクロRNA143」。細胞増殖や生理活性物質の分泌など、細胞の機能を制御する作用を持つという。

尾崎助教らの研究グループは、約1千あるといわれるヒトのマイクロRNAのうち、肺に転移した骨肉腫細胞の中で少なかったマイクロRNA143に着目。ヒトの骨肉腫の細胞を投与したマウスを10匹ずつ二つのグループに分け、その一つのグループに3日おきにマイクロRNA143を50マイクログラム投与した。

20匹全部のひざ部分に骨肉腫が確認されたが、4週間後には、この物質を投与されなかったグループは10匹すべての肺にがんが転移していたのに対し、投与したグループで転移が確認されたのは4匹だけだった。

この実験結果などから、マイクロRNA143には、骨肉腫のがん細胞が周囲の細胞組織を壊して広がるのを抑える働きがあると結論づけた。

骨肉腫は発症患者の約6割を10代の若者が占める病気。手術や抗がん剤の投与で治療することができるが、術後5年以内に3~4割の確率で肺に転移する。転移したがんは、病状が進行しているので治療が困難なことが多く、転移をどう抑えるかが大きな課題になっている。

尾崎助教は研究の成果について「骨肉腫の転移を予防する新しい治療法や薬の開発につながり、十分に解明されていない転移のメカニズムも明らかになる可能性もある」としている。

2011年5月23日 朝日新聞

2011年5月19日木曜日

白血病の治療薬の効能追加

ノバルティス、抗悪性腫瘍剤「グリベック」の効能追加を申請

抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)」

好酸球増多症候群/慢性好酸球性白血病の治療薬として効能追加を公知申請

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、本日、抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)錠100mg」(一般名:イマチニブメシル酸塩)について、FIP1L1-PDGFRα 陽性の好酸球増多症候群(HES)/慢性好酸球性白血病(CEL)の治療薬として、効能追加の公知申請を行いました。

血 液がんの一種である好酸球増多症候群(Hypereosinophilic syndrome; HES)/ 慢性好酸球性白血病(Chronic  eosinophilic leukemia; CEL)は、好酸球が過剰に増殖して正常な造血が阻害されたり、増殖した好酸球が心臓、肺、脾臓、皮膚お よび神経系などに浸潤することで、様々な臓器障害を引き起こす疾患です。中でも心筋への好酸球浸潤は約58%の患者さんに認められ、こうした患者さんは心 不全を起こすことがあり、予後は不良です。

早期診断や心合併症などに対する補助療法の進歩により、生存率に改善はみられるものの、依然として難治性の疾患であり、これまで国内では有効な治療法がありませんでした。

「グリベック」は、特定のがん細胞で重要な役割を果たすと考えられる異常なチロシンキナーゼを標的としており、HES/CELにおいては、発症の原因となる腫瘍タンパクであるFIP1L1-PDGFRαの活性を阻害することで治療効果を示します。

海外では、HES/CELの効能を米国、EUをはじめとする各国で取得しており、すでに欧米ではHES/CELの標準療法の一つとなっています。

「グリベック」は、日本では、慢性骨髄性白血病治療薬として2001年に発売され、その後2003年にKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、2007年にフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の効能追加を取得しています。

前立腺がんリスクの低下食品

前立腺がんリスク減少にコーヒーが効果、米研究

前立腺がんの予防については、コーヒーはたくさん飲むほど良いとする研究結果を17日、ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)が発表した。

コーヒーをまったく飲まない男性に比べて、1日6杯以上のコーヒーを飲む男性のほうが、死に至る前立腺がんにかかるリスクは60%、前立腺がん自体が発現するリスクも20%低いことが、この研究で明らかになった。1日1~3杯のコーヒーでも、死に至る前立腺がんにかかるリスクは30%低かった。カフェイン含有の有無による効果の差はなかった。研究者たちは、コーヒーの成分が持つ抗酸化作用や抗炎症作用と、前立腺がんリスクの低下に関係があるのではないかと考えている。

前立腺がんは米国の男性に最も多く診断されるがんだが、すべてが致死性というわけではなく、早期に血液検査で発見できる

今回の研究では4万7911人の米国人男性を対象に、1986年から2008年までの間の4年ごとに飲んでいるコーヒーの量を調査した。この研究期間中に計5035件の前立腺がん診断が報告され、そのうち642件については転移や死亡が報告された。

コーヒー常用者における前立腺がんリスクの低下は、喫煙や運動不足など、がんリスクが増大するとされる他の要因を加えても認められた。

2011年05月18日 AFP

微量サンプルからがん解析

遺伝子発現量の測定で、がん細胞がピタリと分かる ―1分子シーケンサーの遺伝子発現解析法「HeliScopeCAGE法」を開発―

がんなどの疾患の様子や、生命そのものの現象の解明には、生体を構成する多種多様な細胞1つ1つに着目し、それらのDNA発現量を分子レベルで調べることが欠かせません。例えば、がん細胞とその隣の正常細胞の遺伝子発現を区別することができると、がん細 胞を明確に定義でき、確かな医療が可能になります。そのため、少数の細胞から微量サンプルを抽出して解析する技術開発が進んでおり、すでにDNAシーケン サーでは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を活用した手法が確立しています。しかし、このPCRによる増幅過程では、発現解析データの偏りや再現性の低下 を引き起こすため、微量サンプルの高精度な解析は不可能でした。

オミックス基盤研究領域と米国ヘリコスバイオサイエンス社は、わずか100ナノグラムのRNAサンプルから、定量的で高精度に遺伝子の発現量を測定するこ とができる「HeliScopeCAGE法」の開発に成功しました。新手法は、理研独自の遺伝子解析技術である「CAGE法(Cap Analysis of Gene Expression)」を、DNA増幅なしに1分子レベルで核酸の塩基配列を解読(シーケンシング)することができる1分子シーケンサー 「Helicos® Genetic Analysis System」に最適化し、微量サンプルの直接シーケンシングを可能にしました。その性能は、ヒト急性単球白血病由来のTHP-1細胞株とヒト子宮頸がん由来のHeLa細胞株を用いて、遺伝子発現解析に広く使われているマイクロアレイ法と比べると、高い相関に加えてより高い精度も確認することができました。

この技術により、細胞特異的な微量の遺伝子発現検出を可能にすると注目されます。

2011年5月19日 プレスリリース

2011年5月16日月曜日

がん細胞分裂形成を解明

東北大学、細胞分裂装置が形成される新たなしくみを解明

細胞分裂装置が形成される新たなしくみを解明

線虫胚の分子イメージング解析から発見

    細胞が分裂する際には「紡錘体」とよばれる細胞内装置のはたらきによって遺伝情報の担い手である染色体が娘細胞に均等に分配されます。今回、東北大学大学 院生命科学研究科 杉本亜砂子教授と理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 戸谷美夏研究員らは線虫胚をモデル系とした分子イメージング解析か ら、オーロラA (Aurora A)というタンパク質が紡錘体の主要な構成成分である微小管を安定化することが紡錘体形成に重要であることを見いだしま した。この発見は癌治療法の開発にもつながると期待されます。本研究成果は、2011年5月15日付けで英科学専門誌「ネイチャー・セル・バイオロジー  (Nature Cell Biology)」誌の電子版に掲載されます。

こ れまでタンパク質リン酸化酵素は酵素活性を持つ時にのみ働いていると考えられてきましたが、今回の研究から酵素が不活化されている場合でも別の役割を 果たし得ることが示されました。このような例はこれまでほとんど知られていませんでしたが、今回の研究をきっかけとして酵素タンパク質の多面的な機能とい う新たな観点からの研究が進展すると考えられます。
また、オーロラAは多くの癌細胞で過剰に発現されていることが知られており、本研究の成果は癌治療薬の開発にも貢献することが期待されます。

2011年5月16日 プレスリリース抜粋

がんを食べる細胞を解明

がんのもとを食べて破壊 神戸大解明、治療法開発に

がんのもとになる異常な細胞を、周囲の正常な細胞が食べて破壊するメカニズムを神戸大大学院医学研究科の井垣達吏特命准教授(遺伝学)らのチームが解明した。がんの新たな治療法開発につながる可能性がある。

がんのほとんどは臓器の内部を覆う「上皮組織」の細胞で発生する。

チームがショウジョウバエの幼虫を使って実験した結果、上皮組織で一部の細胞ががんになりかけると、隣の正常な細胞で特定のタンパク質の働きが活発になり、ほかの細胞を食べやすいように形状を変化させていた。その後、異常細胞を生きたまま丸のみして破壊した。

2011年5月15日 共同通信

最先端のがん治療設備を導入

最先端がん治療を導入 南和歌山医療センター

和歌山県田辺市たきない町の南和歌山医療センターは、県内で初めて最先端のがんの外部放射線治療を導入した。効果が高く、副作用の危険性が少ないという。辻孝外来診療部長(放射線科)は「がん治療の強力な武器になる。地元の人の利便性も高まると思う」と話している。

放射線治療は、体にメスを入れず、腫瘍部分に放射線を当てることで治療する方法。これまでの技術では、腫瘍だけでなく、その近くにある正常な臓器にも同じ強さの放射線が当たり、副作用の心配が大きかった。そのため、腫瘍への放射線量も抑えられ、十分な治療が難しいという面があった。今回導入した「強度変調放射線治療(IMRT)」では、コンピューター計算し、例え複雑な形の腫瘍であっても、多方向からの放射線量に細かい強弱をつけることで、正常な臓器に当たる放射線量を減らし、高い精度で腫瘍に集中して当てることができる。それにより、副作用の危険性も低下するという。

ただ、IMRTは煩雑な作業が必要になる。患者1人ずつ計算し、実際その通りに、放射線が当たるかを検証するため、患者1人受け入れるためには準備に1週間程度かかるという。装置や周辺機器が高価なことや、高度な技術が必要なことから県内での導入はなかった。IMRTを受けるには、大阪の病院まで行くしかなかったという。

南和歌山医療センターは2009年3月に、IMRTが可能な新装置を導入。放射線治療を進めながら技術を習得、今年2月からIMRTでの患者治療を開始した。中でも直腸やぼうこうなどの臓器が接している前立腺がんなどに多く使われており、同センターでもこれまで前立腺がん患者ばかり10人以上を受け入れた。辻部長は「がんは10年以上経過を見ないと分からないが、高い確率で完治するはず」と話している。

同センターは厚生労働省に「がん診療連携拠点病院」に指定されている。

2011年05月14日 紀伊民報

2011年5月11日水曜日

すい臓がんの新薬を承認

FDA  アフィニトールの膵がん適応を承認

米食品医薬品局(FDA)は5月6日、ノバルティスのmTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤アフィニトール(エベロリムス)について、切除不能あるいは転移・進行性膵内分泌腫瘍(PNET)の適応を承認したと発表した。

PNETは、進行が遅くまれな腫瘍で、米国では毎年新規患者は1000人以下といわれる。同剤の安全性、有効性は、410人を対象としたRCTで検証され た。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、プラセボ投与群の4.6 か月に比べアフィニトール投与群では11か月(中間値)と約2倍に延長した。

主な副作用は、口内炎、発疹、下痢、疲労感、浮腫、胃痛、悪心、発熱、頭痛など。

2011年5月10日 MIXONLINE