2011年12月31日土曜日

がん患部で抗がん剤生成する新薬

新しいがん治療法、米国で臨床試験へ

 信大医学部(松本市)内に研究所を置くベンチャー企業「アネロファーマ・サイエンス」(東京)は来春にも、ビフィズス菌を利用したがん治療法の臨床試験を米国で始める。がん組織は酸素の少ない「嫌気的環境」にあるため、嫌気的環境を好むビフィズス菌を薬の「運び屋」として利用。併せてがん組織の内部で抗がん剤を生成する仕組みにすることで正常な組織への影響を抑え、副作用が少ないがん治療法の確立を目指す。
 同社が実用化に取り組んでいる治療法は、抗がん剤になる前段階の物質「5―FC」と、5―FCを抗がん剤「5―FU」に変える酵素を作る遺伝子を組み込んだビフィズス菌「APS001F」を患者に投与。ビフィズス菌が集まるがん組織の内部で抗がん剤に転換し、ピンポイントでがん組織を攻撃する。
 臨床試験は米国中南部にあるがん専門病院で実施。まず第1段階の試験で、がんの種類を絞らずに、胃がんや大腸がんなどさまざまな固形がんを対象に行う。2年ほど実施した後、続く第2段階の試験で、第1段階で特に効果が高かったがんの種類に絞って投与。両試験で計40~60人の患者に実施する予定だ。
 同社はこれまで動物実験で有効性や安全性を確認。臨床試験については米国立衛生研究所や米食品医薬品局と打ち合わせを重ね、それを基に1月中に米食品医薬品局に実施を申請する。順調に進めば、春ころに1人目の患者に投与できる見込みだ。
 同社取締役で信大大学院医学系研究科の谷口俊一郎教授=分子腫瘍学=は「がんの種類によって、ビフィズス菌が集まりやすいものと、集まりにくいものがあるかもしれないので、臨床試験を通して見極めたい」と説明。「がん組織という局所だけで大量に5―FUを作ることができるため、副作用を減らすだけでなく、従来は5―FUが効かなかった種類のがんにも効果があるかもしれない」と期待する。
 臨床試験が順調に進めば、5―FUだけでなく別のさまざまな薬を運ぶ手法としても注目されそうだ。
 同社の三嶋徹也社長は「今までにないまったく新しいコンセプトの治療法を是非、世に出したい」と話している。

2011年12月31日 信濃毎日新聞

2011年12月27日火曜日

がん抑制効果の菌とは

アクネ菌に皮膚がん抑制効果 三重大院講師ら確認

ニキビの原因となるアクネ菌が、皮膚がんの一種で転移の早い「悪性黒色腫」の抑制に役立つことを、三重大大学院医学系研究科の山中恵一講師らのグループがマウスを使った実験で明らかにした。米科学誌「プロスワン」電子版に22日、掲載された。

グループは、白血球内の免疫細胞の中に、アクネ菌と腫瘍に反応する細胞がある点に着目。悪性黒色腫を移植したマウスの患部に菌を直接注射したところ、周辺組織の免疫機能が活性化し、アクネ菌とともに腫瘍のがん細胞も排除し始めた。

  アクネ菌を1カ月間で2回注射したマウスは、注射していないマウスに比べて腫瘍の成長が半分にとどまり、がん細胞も大幅に減っていた。山中講師は「今後はアクネ菌のうち、どの成分が効果的なのかを解析し、新薬の開発につなげたい」と説明している。

2011年12月22日 中日新聞

未承認薬でのがん治療が可能に

未承認薬、条件つき容認へ 重病患者を対象、厚労省方針

 厚生労働省は、ほかに治療法がない重い病気の患者に対し、国内では承認されていない薬を一定の条件で使えるように制度化する方針を固めた。26日夜、薬事行政の見直しを検討している厚労省の審議会で大筋了承された。同様の制度は欧米にあり、がん患者らが要望していた。

 日本は欧米に比べて薬の承認時期が遅れるため、欧米で受けられる最新の治療を受けられないことがある。医師や患者が海外の薬を個人輸入して使っている例もあるが、偽造薬を買わされる危険性や、副作用が起きたときに対応ができるのか、などの問題がある。

 創設する制度では、欧米で承認済みで、国内で承認を得るための臨床試験(治験)が始まっている薬を対象とする。医療機関が厚労省に必要な届け出をすれば、複数の病気を抱えているなど治験に参加できない患者に、この薬を使えるようにする。患者にとっては治療の選択肢が広がることになる。

2011年12月27日 朝日新聞

2011年12月21日水曜日

唾液で がん検査が実用化

がん検査は簡単便利になるほど受信する人数の増加が見込めるために、がんの早期発見に寄与できるという理屈だ。がんの最良の治療法が、早期発見早期治療であるkとは誰もが知っているのに、早期発見のためのがん検診を面倒がるという矛盾。
実用化前のためにがん検診ではなく「スクリーニング」、つまりがん発病が疑われる患者をふるいに掛ける程度の精度のようだが、唾液だけでがんの簡易検査ができることは間接的に多くの患者を救うことになる。


末期がんになる前に全てのがん患者を発見できれば、末期がんは無くなってしまうのかもしれない。


2011年12月21日 ZAKZAK

唾液から“がん”が発見できる時代へ!
 人の唾液を調べて、健康・医療に役立てる研究が進んでいる。最近では、前立腺がんの腫瘍マーカー(血液検査)であるPSA(前立腺特異抗原)検査が唾液でも行えることが報告された。唾液でどこまでわかるのか。唾液検査の現状について専門家に聞いた。
 ■血液と唾液の関係
 PSAは唾液中にも含まれ、前立腺がん手術後の再発・転移を調べるのにも有効だとの研究結果をまとめたのは、神奈川歯科大学の槻木恵一教授(唾液腺健康医学)らのグループだ。
 研究によると、前立腺がん患者31人を調べ、再発や転移が見つかった11人はPSAの血中濃度が高い上に、血中濃度が上がるにつれ唾液中の濃度も上がっていた。再発・転移のない20人は血中濃度が低く、唾液中にもほとんど含まれていなかったという。
 現在、唾液用の検査キットを開発中で、今年度中にはさらに大規模研究がスタートする運びだ。
 ■偽陰性なく十分有効
 PSAは前立腺から分泌される物質で、がん以外でも前立腺に病気があると血中濃度が高くなる。
 では、なぜ唾液中にもPSAが現れるのか。
 槻木教授は「唾液は血液から作られていて、血液成分を反映するからです」と話し、唾液検査の精度をこう説明する。
 「欠点をいえば、口腔内の細菌や病変に影響を受ける場合があり、さらに唾液は血液より濃度の幅が大きい。ただし、PSA唾液検査では、偽陽性の可能性はあっても偽陰性はなく、スクリーニングに十分有効です」
 とくに大きな利点は「痛くない、簡単、誰でも採取できる」ところだ。
 ■唾液に有望な将来性
 槻木教授は「最も大切な成果は、すでに広く使われている腫瘍マーカーが、唾液検査に応用できることが分かったこと。早く実用化に取りかかれるのです」と話す。
 これまでも唾液でがんを発見する研究はあったが、新しいマーカーを見つけることに重点が置かれているため、実用化にはまだ時間がかかる。たとえば、慶応大では唾液から、すい臓がん、乳がん、口腔がんを見つけるための新しいマーカーの開発が進められている。
 唾液腺と全身の関係や唾液中の無数の成分には解明されていないことが多く、今後も唾液腺関連研究の進展次第では、まだ多くの検査や病気予防への応用の将来性が秘められているという。
 槻木教授は、現在取り組む有望な研究テーマの概要をこう話す。
 「唾液には多数の抗菌物質が含まれ、この量の違いが、唾液の質の差となり健康のバロメーターになる。また、舌下部からある唾液成分が血液に再吸収されているが、その成分の働きが全身の健康に大きく関与していることに注目しています」
 今後の唾液研究に大いに期待したいところだ。
■唾液からわかる主な検査項目
○虫歯のなりやすさ
○歯周病の状態
○HIVウイルスの有無
○ストレスの測定
○喫煙習慣
○大麻や覚醒剤の使用の有無
△乳がん・前立腺がんのスクリーニング
△生体の活性度(免疫力)
△疲労度(ウイルスの量)
△妊娠しているかどうか
△性病関連の検査
△環境汚染の程度(環境ホルモンの量)
※○は検査が確立・実用化されている。
 △は研究中で今後の実用化が可能

2011年12月19日月曜日

がん細胞だけに放射線の肺がん治療

がんを狙い打つ放射線治療
肺がん治療に用いられる放射線治療の問題は、副作用と効果のバランスが悪いことだ。放射線が目標となるがん細胞だけに照射されてがん細胞だけが死滅させられるのが理想だが、実際にはがん細胞だけでなく、周囲の正常な細胞にも放射線が当たってしまう。そのために吐き気、嘔吐、虚脱感、抜け毛などの副作用が引き起こされていた。さらに肺がんへの放射線治療を困難にしているのは、呼吸によって肺が動き、放射線治療の対象となる肺がん患部も動いてしまうことだった。そのため、肺がんへの放射線治療は正常細胞をも痛めてしまう治療例が後を絶たなかったのだ。
要するに正常細胞には放射線を当てず、狙ったがん細胞だけに放射線を当てれば良いだが、これが従来のがん治療機器では不可能だったのである。
しかし、近年の最新のがん放射線治療機器に機能された自動追尾装置ならば、がんの病巣を呼吸に合わせて追尾しながら、がん細胞だけにピンポイントで放射線を照射できる手法が確立された。
従来ならば、呼吸に伴って肺がん患部が揺れ動くために、放射線を照射する対象の病巣部を正確にリアルタイムで捉えることが不可能だったが、最新鋭の機器ならば正常な臓器や組織への放射線量を少なくすることができ、副作用の軽減が期待できるのだ。がん患部への照射と、エックス線で透視した画像処理を並行することで、がん病巣の位置を常に把握できる。治療中から照射ヘッドの向きを変えることで、動くがん病巣への放射線照射をリアルタイムで追尾可能になった。
従来の放射線治療法と比べると、がん病巣への同じ放射線量を照射しつつ、正常な肺への放射線量は2割減となった。治療時間は1回30分程度で、公的医療保険が適用されることが特筆される。
現在のところ世界中でも、京都大病院と神戸市の先端医療センター病院だけが、この最新機器でのがん治療を実施している。

子宮筋腫と子宮肉腫を容易に見分ける新手法

PET使い子宮筋腫・肉腫を判別

近年に女性の晩婚化や少子化が原因で増えているとされる子宮筋腫は、子宮肉腫や子宮がんへの変異が心配されることが多い。

従来、子宮筋腫と子宮肉腫を見分ける診断は難しいものだった。しかし、陽電子放射断層撮影(PET)を利用することで、患者の負担は最小でも9割以上の高い精度でがん診断することができるようになった。

この「PET診断法」は、福井大産科婦人科の吉田好雄准教授と福井大高エネルギー医学研究センターの岡沢秀彦教授が開発した手法で、米国核医学学会「がん・腫瘍(しゅよう)診断部門」では「最高賞」を獲得している。

2011年12月16日金曜日

転移・再発の乳がんに新薬抗がん剤

 

抗がん剤「ハラヴェン」がカナダで承認

乳がん、それも再発・転移乳がんに対する新薬が、カナダ保健省から承認を取得した。
乳がん新薬の名称は、抗がん剤「ハラヴェン」。

「ハラヴェン」は、2010年3月に日本、米国、欧州で同時申請を行い、世界で初めて2010年11月に米国で抗がん剤としての承認を取得した。2011年12月時点では、今回のカナダを含め、シンガポール、欧州、日本、スイスなど世界35カ国で承認されている抗がん剤である。

がん患者が痛みに耐えていた時代

がん患者が痛みに耐えていたのは前時代の治療状態だ。
現代のがん治療は、QOL(生の質)を最優先に、痛みを和らげることに主眼を置く。がんの疼痛緩和に対して、積極的に医療用麻薬=モルヒネを利用することも非常に有効なのである。
がん患者の痛みの緩和ケアには麻薬だけでなく、「ハンドマッサージ」も有効であり病棟での実施も拡がり、各地で講習会も盛んになりつつある。
がんの痛みのケアのためには、オイルを塗ったがん患者の手の甲や指先を「相手を思いやりながらゆっくりと」もみほぐすことが大事なのだ。
がん患者や家族がマッサージを憶えることで、がん患者の闘病に寄与できるのである。

2011年12月15日木曜日

脂肪肝から肝がんへの高リスク

高リスクで肝癌に進展する「非アルコール性脂肪肝炎」とは
肝硬変や肝がんは、B型やC型肝炎ウイルス感染、アルコールの過剰摂取が原因といわれている。近年肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を高頻度に合併した脂肪肝で、炎症や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝硬変、肝がんでの死亡が増加している。健康診断で脂肪肝と診断され、年々肝臓の数値が悪化している場合は専門医による早期の受診が不可欠だ。
健康診断で脂肪肝を指摘されても、症状もないため放置することが多い。しかし、肝硬変や肝がんのリスクが高い脂肪肝もある。
従来、肝硬変や肝がんの原因は、B型、C型肝炎ウイルスの感染や過剰なアルコール摂取が主だった。ところが近年、ウイルスに感染しておらず、アルコール摂取もない非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の中で、炎症や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からの肝硬変・肝がんが増加している。NASHの多くは肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を合併しており、ウイルス性やアルコール性肝炎よりも予後が悪い場合がある。
大阪府済生会吹田病院の岡上武院長に話を聞いた。
「NAFLDは現在約1000万人いるといわれ、予後が比較的良好な単純性脂肪肝と、予後が悪いNASHに分かれます。NAFLDのうち20~30%がNASHと推計され、NASHは10年以内に10~30%が肝硬変や肝がんに進展します」
2011年12月15日 週刊ポスト

2011年12月14日水曜日

腫瘍が80%縮小の新薬、すい臓がんワクチン

免疫系を「訓練」、画期的な乳がんワクチンを開発 米研究
乳がん、大腸がん、卵巣がん、すい臓がんの治療に有効と見られる画期的な仕組みのワクチンを開発し、マウスの実験で腫瘍を大幅に縮小できたとする論文が、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
 ワクチンを開発したのは、米ジョージア大学(University of Georgia)がんセンターのヘルトヤン・ブーンズ(Geert-Jan Boons)教授と米メイヨークリニック(Mayo Clinic)のサンドラ・ジェンドラー(Sandra Gendler)教授のチーム。細胞表面にMUC1たんぱく質が付着している腫瘍を見つけ出して殺すよう、免疫系を訓練するというもので、こうした仕組みを持つワクチンは世界初だという。
 MUC1は乳がん、すい臓がん、卵巣がん、多発性骨髄腫など、悪性で致死率も高いタイプのがんの70%以上で見られる糖たんぱく質。タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、ハーセプチンなどの抗ホルモン剤が効かないいわゆるトリプルネガティブ乳がん患者の90%で過剰発現することでも知られる。
 マウスにこのワクチンを投与してみたところ、免疫系の3つの構成要素すべてが活性化され、腫瘍が平均で80%も縮小した。
マウスでの実験結果が人間には当てはまらないというケースは多いが、研究チームは、極めて強い免疫反応を示し独特の仕組みを持つこのワクチンに大きな期待を寄せており、ワクチンの安全性を確認するフェーズ1の臨床試験を2013年中にも開始したい考えだ。
 なお、このワクチンは化学療法との併用が可能で、特定のがんに対する予防効果もあるという。
2011年12月13日 AFP

腫瘍が80%縮小の新薬、すい臓がんワクチン

免疫系を「訓練」、画期的な乳がんワクチンを開発 米研究
乳がん、大腸がん、卵巣がん、すい臓がんの治療に有効と見られる画期的な仕組みのワクチンを開発し、マウスの実験で腫瘍を大幅に縮小できたとする論文が、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
 ワクチンを開発したのは、米ジョージア大学(University of Georgia)がんセンターのヘルトヤン・ブーンズ(Geert-Jan Boons)教授と米メイヨークリニック(Mayo Clinic)のサンドラ・ジェンドラー(Sandra Gendler)教授のチーム。細胞表面にMUC1たんぱく質が付着している腫瘍を見つけ出して殺すよう、免疫系を訓練するというもので、こうした仕組みを持つワクチンは世界初だという。
 MUC1は乳がん、すい臓がん、卵巣がん、多発性骨髄腫など、悪性で致死率も高いタイプのがんの70%以上で見られる糖たんぱく質。タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、ハーセプチンなどの抗ホルモン剤が効かないいわゆるトリプルネガティブ乳がん患者の90%で過剰発現することでも知られる。
 マウスにこのワクチンを投与してみたところ、免疫系の3つの構成要素すべてが活性化され、腫瘍が平均で80%も縮小した。
マウスでの実験結果が人間には当てはまらないというケースは多いが、研究チームは、極めて強い免疫反応を示し独特の仕組みを持つこのワクチンに大きな期待を寄せており、ワクチンの安全性を確認するフェーズ1の臨床試験を2013年中にも開始したい考えだ。
 なお、このワクチンは化学療法との併用が可能で、特定のがんに対する予防効果もあるという。
2011年12月13日 AFP

大腸がんを早期発見できる新型内視鏡

大腸がんの早期発見をサポートする下部消化管用拡大内視鏡
135倍まで病変を拡大観察可能、大腸がんの早期発見をサポート
下部消化管用拡大内視鏡 「EC-590ZP」大腸への挿入性向上、ひいては患者負担軽減が期待できる!
 富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、大腸の検査・治療に使用される下部消化管用拡大内視鏡の新ラインアップとして、挿入部が11.8mmの細径で倍率135倍まで病変を拡大観察可能な「EC-590ZP」を、12月15日より富士フイルムメディカル株式会社(社長:平井 治郎)を通じて発売いたします。「EC-590ZP」は、大腸への挿入性向上による大腸検査時の患者負担軽減を目指すとともに、独自の画像センサー・光学技術による高画質画像で病変の早期発見をサポートする新製品です。
 大腸は全長が長く、急峻な屈曲部を持つ臓器であることから、大腸内視鏡には、挿入性の良さや観察性能の高さに加え、患者の苦痛を抑える工夫が必要とされています。患者の苦痛を抑えるためには、スコープの細さ、軟らかさが求められている一方、医師の操作の力加減をスコープに伝えるために、ある程度の硬さも必要とされています。
 今回発売する「EC-590ZP」は、こうした医療現場のニーズに対応し、スコープ表面にコーティングする樹脂の量を、先端部分から手元側の操作部に向け連続して変化させる構造を採用。スコープの先端部分には柔軟性を持たせ、手元側の操作部に向かってスコープを硬くしています。これにより、患者の苦痛軽減に繋がるスコープ先端部分の軟らかさと、力加減を伝えるために必要なスコープの硬さという点で、適切なバランスを追求しています。大腸への挿入性のさらなる向上と、患者の苦痛軽減の両立を追求することで、効率的かつ安全な検査の実現を目指します。
 「EC-590ZP」は、挿入部に11.8mmの細径を採用しました。また、独自のスコープ設計技術を駆使し、光学ズーム機能により倍率135倍まで病変を拡大観察可能です。さらに、血管観察の阻害要因となる長波長光をカットする光学部材を搭載し、粘膜と微細血管の色のコントラストをより向上させました。分光画像処理機能「FICE(*3)」 と併用でき、病変の早期発見・診断をサポートします。この他、独自の画像センサー「スーパーCCDハニカム(TM)」を搭載し、高い解像度を実現。微細な血管走行等、微妙な色の違いの描写力向上が期待できます。
 富士フイルムは、これまで高画質で定評のある「EC-590WM3」をはじめとする下部消化管用スコープを発売し、ご好評をいただいております。また、鼻からの挿入に適したしなやかさを持つ「経鼻内視鏡」や、小腸の観察・処置を容易にした「ダブルバルーン内視鏡」など、独自の技術で挿入性向上、患者の苦痛軽減を目指しています。今後も、医療現場のニーズにこたえる内視鏡関連製品のラインアップを拡充し、医療の質や効率の向上、人々の健康増進に貢献していきます。
2011年12月14日 プレスリリース

2011年12月13日火曜日

8分間で判明する息だけ肺がん検査

肺がんを最先端技術で診断・治療

聖マリアンナ医科大学病院

 コンピューター画像診断や気管支鏡などの進歩により、ごく小さな段階で見つかるようになっている肺がんだが、国内では年間およそ7万人が命を落としている。さまざまな診断技術が開発されているにも関わらず、多くの人が受けているレントゲン撮影や、痰の中にがん細胞がないかを調べる喀痰(かくたん)検査だけでは、見逃されている早期がんがあるからだ。

 現在、世界的には、人の吐く息で肺がんを調べる方法について研究が進められている。呼気には揮発性有機化合物が含まれ、それを分析すると、肺がんの有無だけでなく、がんの種類や呼吸のできにくくなる慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの診断も可能になるという。しかも、機械によっては検査結果が出るまでたった8分。簡便で短時間の検査が可能なため、将来的に健康診断などに導入されることで、より多くの早期肺がんや初期のCOPDを見つけることへの期待が高い。

 そんな世界最新の呼気分析の研究を今年1月からスタートしたのが聖マリアンナ医科大学病院呼吸器・感染症内科。最先端の気管支鏡を用いた診断と治療(呼吸器インターベンション)のメッカで、国内トップクラスの実力を誇る。

 「早期の肺がんであれば、ダイオードレーザーによるPDT(光線力学的治療)で治療を行うことが可能です。また、手術や放射線、抗がん剤など治療法はいろいろあります。簡単に早期の肺がんを 発見できる方法さえあれば、もっと多くの人を救うことができるのです。そのために検査方法の研究も進めています」とは、同科の宮澤輝臣教授(62)。長 年、「呼吸困難を克服する」ことをテーマに研究に取り組んできた。気道を広げるための気管支ステントでは、「MIYAZAWAステント」を開発するなど、 常に最先端技術の先駆者であり続けている。

 そんな宮澤教授は、かつてドイツ留学した際に知り合い、今も親交のあるローランドクリニック(エッセン)のフライターク教授から呼気検査の「イオン移動度分析機」の情報を得て共同研究を始めた。

 「人がこの装置に息を吹きかけるだけで、肺がんが8分後にほぼわかる(特異度100%)」とフライターク教授は言う。

 「呼気でがんの有無がわかるがん探知犬は、1989年以来、最近まで多数論文発表されています。しかし、探知犬を育てるのには時間がかかり、犬にも負担になります。呼気分析機なら、その検査法や精度が明確になれば、幅広く普及させることができるでしょう」(宮澤教授)

 呼気分析機の研究が進むと、治療後に肺がんが本当に消えたか再発したかどうかの判定も可能。さらには、呼吸器感染症を引き起こす細菌の有無とその種類ま でも調べることができるようになるそうだ。ドイツではすでにこの機械で成果を上げ、日本では宮澤教授チームの研究が第一歩となる。「将来的に呼気分析が先 進医療に認められることを目指しています」と宮澤教授。そのためにまい進中だ。 

<データ>2010年実績
☆新規患者数935人(内訳/肺がん687人/肺炎83人/COPDおよび気管支喘息63人/気胸・縦隔気腫56人/びまん性肺疾患46人)
☆呼吸器インターベンション50件
☆気管支鏡検査659件
☆病院病床数1208床(呼吸器内科病床数約50床)
〔住所〕〒216-8511神奈川県川崎市宮前区菅生2の16の1 
(電)044・977・8111

2011年12月11日 ZAKZAK

食道がんの自覚症状

食道がんの原因としては、主に喫煙や飲酒などの食生活やストレスなどと関係があり、発症は50~60代がピーク。思い当たる同世代のサラリーマンは注意が必要だ。「ストレスが免疫力を低下させることで、がんを悪化させる要因になることも。
50~60代に多く、60代過ぎが発症のピーク。
長い飲酒や喫煙習慣がリスク要因になっており、食道を刺激するのも発症のリスクを高める。極端に熱いものや冷たいものを食べ過ぎるのは避けたほうがいい。
食道がんが疑われる兆候には、

(1)食べ物が詰まる
(2)発熱や痰を伴わない空咳
(3)みぞおちがしくしく痛む
(4)胸の圧迫感
(5)食道の違和感
(6)恒常的な胸焼け
(7)風邪をひいていないのに声が枯れる

といったものが挙げられる。
食道がんの最大の問題は手術の難しさ。
心臓や肺などの器官に近い部位であるため、胸と脇を大きく切開しなければならない。外科手術の中でも高い技術を要求される手術。食道がんは再発リスクが高く、進行も早い。末期がんの場合には、1年以内に亡くなるケースも少なくは無い。
 しかし、早期発見ならば胃カメラ(内視鏡)で食道内部から切除することが可能で、抗がん剤と放射線治療を組み合わせた治療法も確立されている。
検診で発見されるケースが圧倒的に多いので、年に一度は胃カメラ検診を受けることで早期発見、治癒に繋がることが多い。

食道がんの原因と治療法

食道がんの原因としては、主に喫煙や飲酒などの食生活やストレスなどと関係があり、発症は50~60代がピーク。思い当たる同世代のサラリーマンは注意が必要だ。 「ストレスが免疫力を低下させることで、がんを悪化させる要因になることも。

50~60代に多く、60代過ぎが発症のピーク。
長い飲酒や喫煙習慣がリスク要因になっており、食道を刺激するのも発症のリスクを高める。極端に熱いものや冷たいものを食べ過ぎるのは避けたほうがいい。

 食道がんが疑われる兆候には、

(1)食べ物が詰まる
(2)発熱や痰を伴わない空咳
(3)みぞおちがしくしく痛む
(4)胸の圧迫感
(5)食道の違和感
(6)恒常的な胸焼け
(7)風邪をひいていないのに声が枯れる

といったものが挙げられる。

食道がんの最大の問題は手術の難しさ。
心臓や肺などの器官に近い部位であるため、胸と脇を大きく切開しなければならない。外科手術の中でも高い技術を要求される手術。食道がんは再発リスクが高く、進行も早い。末期がんの場合には、1年以内に亡くなるケースも少なくは無い。

  しかし、早期発見ならば胃カメラ(内視鏡)で食道内部から切除することが可能で、抗がん剤と放射線治療を組み合わせた治療法も確立されている。

検診で発見されるケースが圧倒的に多いので、年に一度は胃カメラ検診を受けることで早期発見、治癒に繋がることが多い。

がん患者のうつ病

がん患者の5%にうつ病が合併,ニーズ高まる精神腫瘍学の役割

がんという重大なライフイベントが与える精神的衝撃は甚大であり,うつ病などの精神症状を呈するがん患者は少なくないという。日本のあるデータによると,がん患者の約5%がうつ病と診断され,適応障害を含めると約20%が精神的問題を抱えているとされる。
そのような背景から,がん患者やその家族に対する精神医学的アプローチを専門とする精神腫瘍科のニーズが高まっている。国立がん研究センターでは1992年に精神科(2008年に精神腫瘍科に名称変更)を設置,がん患者とその家族への精神医療や緩和ケアに取り組んでいる。

精神疾患に罹患したがん患者への薬物治療には注意が必要であり、効果的な精神療法も並行する必要がある。

がん患者のうつ病

がん患者の5%にうつ病が合併,ニーズ高まる精神腫瘍学の役割

がんという重大なライフイベントが与える精神的衝撃は甚大であり,うつ病などの精神症状を呈するがん患者は少なくないという。日本のあるデータによると,がん患者の約5%がうつ病と診断され,適応障害を含めると約20%が精神的問題を抱えているとされる。

そのような背景から,がん患者やその家族に対する精神医学的アプローチを専門とする精神腫瘍科のニーズが高まっている。国立がん研究センターでは1992年に精神科(2008年に精神腫瘍科に名称変更)を設置,がん患者とその家族への精神医療や緩和ケアに取り組んでいる。
精神疾患に罹患したがん患者への薬物治療には注意が必要であり、効果的な精神療法も並行する必要がある。

子宮体がんの摘出手術経験談

“歌う尼さん”やなせななさんが子宮体がんの経験講演 

 シンガー・ソングライターと住職を兼ねる“歌う尼さん”やなせなな(本名・梁瀬奈々)さん(36)=奈良県高取町=がこのほど、松浦市内で講演。子宮体がんの経験を通して「人の痛みに気付き、分かち合う心が大切」と語り掛けた。

 やなせさんは28歳でデビュー。その後、がんが見つかり、30歳の時に摘出手術を受けた。現在は実家の浄土真宗教恩寺の住職を務める一方、各地で講演やコンサートを開いている。

 「心から心へと 伝えられる あいのうた」と題して、オリジナル曲を温かく力強い歌声で届け、曲に込めた思いやエピソードを紹介。出産できない体となった手術後のつらさを「子どもを見たときに不意に涙がこぼれてきた」と回顧。同じがん体験の境遇の人に多く出会い「病気をして初めて、苦しみや悲しみをそれぞれ背負って生きていることに気付いた」と述べた。

 東日本大震災の発生後は被災地を何度も訪問。現地の僧侶が書いた詞にメロディーを付けた鎮魂歌も披露した。

 人権週間(4~10日)に合わせ、市と市教委が開催。約250人が聞き入り、目頭を押さえる姿も見られた。

2011年12月11日 長崎新聞

がん患者データベース

がん患者、データベース化 市区町村や年齢・部位別に

 東京都は都内の病院からがん患者の情報を収集し、2015年をめどにデータベースを作る。まず約5万件のデータをまとめ、がんにかかった人の割合を市区 町村別、年齢別、部位別に集計する。都内でがんによる死亡者は年間3万人以上にのぼる。きめ細かく実態を把握・公表することで、市区町村に検診の拡充など がん対策にいかしてもらう。

 国の指針に基づく事業で、すでに多くの県で実施している。都内では病院が多いこともあり、都は手掛けていなかった。 都立駒込病院(文京区)に登録室を設け、7月から順次、医療機関に情報提供してもらう。来年1月以降、病院にかかった都内在住の患者が対象で、がんの部位、発見の経緯(検診、人間ドックなど)、放射線治療の有無など25項目を登録する。個人情報保護法の適用外で患者の同意は不要という。すでに約150病院に協力を呼び掛けた。

 同じ人が複数の病院で受診しているケースもあるため、重複の確認作業などに時間がかかり、12年の結果が出るのに3年程度かかるという。当初はがんによる年間死亡者の1.5倍の約5万件、最終的には同2倍の6万件の収集を目指す。

 この情報をもとに、市区町村別にがんにかかった人の割合を体の部位や年齢別などに分けて集計する。これを市区町村のがん対策にいかしてもらう。荒川区は一定年齢以上の区民が胃、肺、大腸、乳がん子宮頸(けい)がん定期検診を無料で受けられるようにしているなど、市町村で検診の内容が異なる。データが整備されれば、例えば、肺がんの人の割合が高い地域では、肺がんの検診を拡充するなどの政策も可能になる。

 血液のがんの一種である成人T細胞白血病(ATL)の割合が高い長崎県では国に先立ち、妊娠後の検査を自己負担なしで受けられるようにしてきた。大阪府では病院ごとに部位別の治療人数と5年後の生存率を公表し、病院選びの参考にしてもらっている。

 またがん患者の割合を公表することで、がん検診の受診率を高める狙いもある。現在、都内のがん検診の受診率は35%前後で50%に高める目標。

2011年12月13日 日本経済新聞

2011年12月12日月曜日

すい臓がんになるリスク90%高

ライフスタイルの「処方箋」で簡単に癌予防
 ご飯を食べるときには、一口30回噛むこと。調査によりますと、ご飯を食べるのが速い人は、胃がんにかかるリスクが高いということです。 良く噛むことにより、消化器系への食べ物の負担を減らし、胃や腸が癌にかかるリスクを減少させることができます。そして、アメリカの研究によりますと、唾 液には強力な殺菌作用があり、肝臓癌を引き起こすアフラトキシンの毒性を30秒以内で消せるということです。
 ですから、一回噛むのを1秒とすると、一口30回噛めば、癌の予防が出来るのです。
 一日7時間の睡眠を確保すること。アメリカ癌研究会の調査によりますと、毎日の睡眠時間が7時間に満たない女性は、乳がんにかかるリスク が47%高くなるということです。これは、睡眠時間が不足すると、何らかの理由でメラトニンの生成が妨害され、その結果、女性の体内で乳がん促進物質とし て知られるホルモンのエストロゲンが過剰に分泌されるため、乳がんにかかるリスクが高くなるというものです。
 上海市中国医学不眠症医療協力センターの施明副主任は、夜の10時半前から寝る準備を始め、11時前には寝るようにし、朝の6時から7時の間に起きることを薦めています。
 このほか、ドイツの睡眠の専門家は、昼食後の午後1時頃が日中で一番眠気を感じることが多く、この時間に少し居眠りができれば、体内の免疫細胞の活性を促し、がん予防に効果があると述べています。
 糖分を控えめにすること。癌細胞がもっとも好む食べ物は糖分です。癌細胞が血流に乗って流れるとき、血糖の57%が癌細胞に吸収されて、その栄養成分となります。
 アメリカの医学誌によりますと、毎日二杯の甘い飲料を飲むと、すい臓がんになるリスクは飲まない人より90%高くなるということです。
 天津医学大学付属癌病院すい臓がん科の郝続輝主任は、「できるだけ糖分のある食べ物は食べないようにしてください。そして、一日の糖分の摂取量は一人当たり50グラム以内にすべきです」と述べています。
 お肉を食べるときはワインを飲むこと。赤ワインの原料にもなっている葡萄の皮には、抗癌性物質のレスベラトロルが含まれ、消化器系の癌の予防に効果があります。
 また、豚肉や牛肉、羊肉などの赤味の肉は一週間に500グラムが適量で、食べ過ぎると結腸癌のリスクが高まります。
 しかし、お肉を食べるときに、ワインを飲めば、そのワインの中に含まれているポリフェノールは、胃の中の肉が有害物質に分解されるのを防ぐ役割があり、癌の予防に効果があるということです。普段の日常生活に注意すれば、私たちは癌から遠く離れることができます。これからは一緒に注意しま しょう。
2011年12月11日 CRI

がん診療体制強化の病院

がん診療「協力病院」に13カ所 県指定 特定部位で質高い治療

がん医療体制の強化のため、県は特定の部位のがんの質の高い治療を受けることができる「がん診療連携協力病院」の制度を新設し、県内十三病院を指 定した。千葉、東葛南部など九つに分けられた医療地区(二次医療圏)の中で、これまで厚生労働省指定の「がん診療連携拠点病院」がなかった山武長生夷隅地 区でも、一病院が指定された。
 がん診療体制をめぐっては、専門的な医療の提供などで地域の中核となる医療機関が拠点病院として、厚生労働省から指定されている。県内には十四カ所が指定されている。
 協力病院は、肺や胃、大腸などの各部位のがんのうち一つ以上で、拠点病院と同じような診療機能を持つ医療機関として位置付ける。拠点病院に準じた 機関とし、地域のかかりつけ医との連携を強化し、がん診療体制を強化するのが狙い。院内のがん患者や家族らからのがん診療に対する相談に応じ、診療機能や 実績などの情報を県民に開示する。
 専門医の配置や手術数、化学療法の提供体制などに関し、拠点病院の専門医らで組織する選定委員会が審査し、県知事が一日付で指定した。指定期間は 四年間。県健康づくり支援課は「県内の二次医療圏のすべてで、拠点、協力病院のいずれかがある体制ができた。各医療圏ごとにより身近な病院で、がん診療が 受けられるようになる」と指定の効果を説明している。
2011年12月10日 東京新聞

2011年12月10日土曜日

転移性乳がんを抑制する新投薬法

2つの薬が転移性乳がん進行を抑制=研究

8日発表された2つの研究は、転移性乳がんの標準的な治療に薬を追加することで、腫瘍の成長を大幅に遅らせることができるとしている。研究では、腫瘍の成長につながる要因をターゲットにした薬が、転移性乳がんを抑えるための標準的な治療に加えられた。
乳がん患者のHebert氏は「アフィニトール」の投薬を受けたところ、腫瘍が21%縮小した

 大ヒット薬の「ハーセプチン」と化学療法に「ペルツズマブ」(モノクローナル抗体)を加えた研究では、腫瘍の成長が6.1カ月抑えられた。研究は、ペル ツズマブを開発したロシュ・ホールディングと子会社ジェネンテックが資金を提供。HER-2陽性の転移性乳がんと診断され、それまで乳がん治療を受けたことのなかった患者808人を対象に行われた。
 別の研究では、女性ホルモンのエストロゲンの生産を阻止する薬「エキセメスタン」にノバルティスの「アフィニトール」(転移性腎細胞がん治療薬)を追加したところ、腫瘍の成長が4.2カ月抑えられた。

2011年12月8日  WSJ

肺がん後に注意すべき病気とは?

肺がん診断後1~2年は脳卒中の発症率が高い―台湾研究

喫煙率の低下により近年は全体的に患者数が減少しているものの、依然としてがんによる死亡の最多を占めている肺がん。喫煙と深い関係にあり、近年は女性患者の増加が懸念されている。こうした中、肺がん診断後1~2年は脳卒中の発症リスクが高いと、台湾・中国医薬大学のPei- Chun Chen氏らが、米医学誌「Stroke」(2011; 42:3034-3039)に発表した。
15万人を追跡調査
脳卒中は肺がん患者の脳血管合併症とされているが、がんのない人と比べ脳卒中のリスクが高いかどうかは明らかではない。Chen氏らは、国民健康保険のデータから抽出した1999~07年の新規肺がん患者5万2,089人と、がんのない対照者10万4,178人との間で、08年までの脳卒中の発症を比較した。
 その結果、肺がん群の脳卒中発症率は対照群と比べて1.5倍高かった(1,000人当たり年間25.9人、同17.4人)。対照群と比較した肺がん患者の脳卒中全体のリスクは1.47倍、脳出血に限定すると1.78倍、脳梗塞では1.43倍だった。なお、脳卒中リスクは、男性では追跡1年後、女性では追跡2年後に低下したという。
2011年12月9日

2011年12月8日木曜日

すい臓がんを早期発見の微妙な症状

【これで私は助かった!】腹痛から“膵臓がん”見つかり命拾い

 見つかったときには手遅れだった-。がんの中でもこのケースが非常に多いのが「膵臓(すいぞう)がん」だ。早期発見の難しさはトップクラス。生還が最も難しい病気なのだが…。

 ■浜岡祥司さん(54歳=仮名)のケース

 膵臓がんが助かりにくいということは知っていました。だから自分が膵臓がんだと分かったときは観念しました。はっきり言って諦めていましたよ。

 きっかけは腹痛。それも「なんとなく痛い」という不快感に近いもの。胃薬を飲んでも効かず、酒の飲み過ぎだと思っていたんです。以前は会社でも一、二を争う大酒飲みでしたから。

 それでも1カ月も症状が続くと不安になってきて、そこでようやく病院を受診。症状を話すと胃カメラと超音波検査を受けることになりました。

 胃カメラでは異常はなかったものの、超音波の画像で膵管の微妙な広がりが写っていた。精密検査に進んで、CTとMRI検査の結果は「ステージ2の膵臓がん」。膵頭部に直径1センチほどのがんがあったのです。こんな僅かな病変からがんが見つかるとは驚きました。

 すぐに入院して、膵頭部と十二指腸を切除する手術が行われ、トータル1カ月ほどで退院。その後もがんが取り切れていない場合を想定して1年間の抗がん剤治療を受けました。

 抗がん剤の副作用は多少出たものの、副作用を止める薬を一緒に服用していたので、想像していたよりは軽く済みました。

 抗がん剤治療が終わってからも、定期的に検査は受けていますが、5年半が過ぎた今も転移や再発はナシ。医師の指示に従って、お酒はやめました。膵臓がんになって助かっただけでも命拾いなのに、それをみすみす捨てるようなことはできませんからね。

 ■専門医はこう見る

 膵臓がんが助かりにくいがんなのは事実です。よく「膵臓がんは背中が痛くなる」と言いますが、これはがんが脊椎の神経に浸潤して起きる症状。「黄疸(おうだん)」も同様で、膵がんに伴う自覚症状の多くは、がんがかなり進行していることを示唆します。

 早期で手がかりとなる症状というと、浜岡さんのような「上腹部の痛み」が挙げられますが、これも必ず出るわけではありません。つまり、自覚症状をアテにしていたのでは、なかなか完治は期待できないがんなのです。

 浜岡さんは「幸運」が重なったケースといえます。超音波画像の微妙な病変に気付いたのは医師や検査技師の技術が高かったから。この時点でがんが、一般的に「助かる見込みがある」とされる1センチ以下だったこともラッキーでした。

 オマケに膵臓がんの手術は食道がんと並んで難易度の高い手術。執刀する外科医には高い技術が求められます。その意味では、病院選びも重要なテーマとなります。

 こうした難関をクリアして初めて克服できる可能性が出てくる-というのが膵がんなのです。

 ただし、ハイリスクな人はいます。喫煙者、飲酒量の多い人、糖尿病の人-。特に中高年になって初めて糖尿病を指摘された人は要注意。これらに当てはまる人は、日頃から微妙な症状に注意して、年に一度の健診やドックを欠かさないことが重要です。

2011年12月7日 47News

すい臓がんの早期発見した場合

【これで私は助かった!】腹痛から“膵臓がん”見つかり命拾い
 見つかったときには手遅れだった-。がんの中でもこのケースが非常に多いのが「膵臓(すいぞう)がん」だ。早期発見の難しさはトップクラス。生還が最も難しい病気なのだが…。
 ■浜岡祥司さん(54歳=仮名)のケース
 膵臓がんが助かりにくいということは知っていました。だから自分が膵臓がんだと分かったときは観念しました。はっきり言って諦めていましたよ。
 きっかけは腹痛。それも「なんとなく痛い」という不快感に近いもの。胃薬を飲んでも効かず、酒の飲み過ぎだと思っていたんです。以前は会社でも一、二を争う大酒飲みでしたから。
 それでも1カ月も症状が続くと不安になってきて、そこでようやく病院を受診。症状を話すと胃カメラと超音波検査を受けることになりました。
 胃カメラでは異常はなかったものの、超音波の画像で膵管の微妙な広がりが写っていた。精密検査に進んで、CTとMRI検査の結果は「ステージ2の膵臓がん」。膵頭部に直径1センチほどのがんがあったのです。こんな僅かな病変からがんが見つかるとは驚きました。
 すぐに入院して、膵頭部と十二指腸を切除する手術が行われ、トータル1カ月ほどで退院。その後もがんが取り切れていない場合を想定して1年間の抗がん剤治療を受けました。
 抗がん剤の副作用は多少出たものの、副作用を止める薬を一緒に服用していたので、想像していたよりは軽く済みました。
 抗がん剤治療が終わってからも、定期的に検査は受けていますが、5年半が過ぎた今も転移や再発はナシ。医師の指示に従って、お酒はやめました。膵臓がんになって助かっただけでも命拾いなのに、それをみすみす捨てるようなことはできませんからね。
 ■専門医はこう見る
 膵臓がんが助かりにくいがんなのは事実です。よく「膵臓がんは背中が痛くなる」と言いますが、これはがんが脊椎の神経に浸潤して起きる症状。「黄疸(おうだん)」も同様で、膵がんに伴う自覚症状の多くは、がんがかなり進行していることを示唆します。
 早期で手がかりとなる症状というと、浜岡さんのような「上腹部の痛み」が挙げられますが、これも必ず出るわけではありません。つまり、自覚症状をアテにしていたのでは、なかなか完治は期待できないがんなのです。
 浜岡さんは「幸運」が重なったケースといえます。超音波画像の微妙な病変に気付いたのは医師や検査技師の技術が高かったから。この時点でがんが、一般的に「助かる見込みがある」とされる1センチ以下だったこともラッキーでした。
 オマケに膵臓がんの手術は食道がんと並んで難易度の高い手術。執刀する外科医には高い技術が求められます。その意味では、病院選びも重要なテーマとなります。
 こうした難関をクリアして初めて克服できる可能性が出てくる-というのが膵がんなのです。
 ただし、ハイリスクな人はいます。喫煙者、飲酒量の多い人、糖尿病の人-。特に中高年になって初めて糖尿病を指摘された人は要注意。これらに当てはまる人は、日頃から微妙な症状に注意して、年に一度の健診やドックを欠かさないことが重要です。
2011年12月7日 47News

NPOががんの治療法の研究

がん適切治療へ NPO設立

がんの治療法の研究や医療スタッフの講習を行うNPO法人が、愛知県内の多くの病院の医療スタッフが参加して設立されました。がん患者がどの病院にかかっても適切な治療を受けられるようにするためで、大学の医局や職種など従来の枠組みにとらわれない全国的にも珍しい取り組みとして注目されています。

設立されたのは、NPO法人「愛知キャンサーネットワーク」です。愛知県がんセンター中央病院などがん治療を行う愛知県内の25の病院から、医師、看護師、薬剤師などさまざまな職種のおよそ120人が参加しています。NPOでは、最新の情報を集めて抗がん剤治療のマニュアルを作ったり、定期的に勉強会を開いたりして、各職種のスタッフのレベルアップを図ります。

がんの治療を巡っては、地域の病院に医師を派遣する大学の医局ごとに治療方針や優先的に使う薬が異なることや関わるスタッフのレベルに差があることによって、治療に格差が生じると指摘されています。NPOはこうした格差の解消を目指していて、医局や職種など従来の枠組みにとらわれない全国的にも珍しい取り組みとして注目されています。

設立の中心になった愛知県がんセンター中央病院の室圭医師は「どの病院でも、どの地域でも、同じようにレベルの高い診療が受けられる医療を実現したい」と話しています。

2011年12月7日 NHK

NPOががんの治療法の研究

がん適切治療へ NPO設立

がんの治療法の研究や医療スタッフの講習を行うNPO法人が、愛知県内の多くの病院の医療スタッフが参加して設立されました。がん患者がどの病院にかかっても適切な治療を受けられるようにするためで、大学の医局や職種など従来の枠組みにとらわれない全国的にも珍しい取り組みとして注目されています。
設立されたのは、NPO法人「愛知キャンサーネットワーク」です。愛知県がんセンター中央病院などがん治療を行う愛知県内の25の病院から、医師、看護師、薬剤師などさまざまな職種のおよそ120人が参加しています。NPOでは、最新の情報を集めて抗がん剤治療のマニュアルを作ったり、定期的に勉強会を開いたりして、各職種のスタッフのレベルアップを図ります。

がんの治療を巡っては、地域の病院に医師を派遣する大学の医局 ごとに治療方針や優先的に使う薬が異なることや関わるスタッフのレベルに差があることによって、治療に格差が生じると指摘されています。NPOはこうした 格差の解消を目指していて、医局や職種など従来の枠組みにとらわれない全国的にも珍しい取り組みとして注目されています。
設立の中心になった愛知県がんセンター中央病院の室圭医師は「どの病院でも、どの地域でも、同じようにレベルの高い診療が受けられる医療を実現したい」と話していま す。
2011年12月7日 NHK

2011年12月7日水曜日

前立腺がんが転移する場合

 前立腺は男性特有のもので、ここで精液の主成分が作られています。この前立腺にがんが発生して前立腺がんとなります。
 若年での発症は家族性以外はまれで、加齢とともに増加し50歳以上で発症する場合が多くなります。
 欧米人での発症率が高く、食生活上の違いが背景にあるとされていますが、人種的には米国黒人男性で最も高い発症というデータがあります。続いて白人、アジア人となります。
 しかし、近年日本でも食生活の欧米化に伴い急増しています。困ったことに他のがん同様に早期症状に目立ったものはありません。比較的早期で症状があったとしても、そのほとんどは併発する前立腺肥大症に伴う症状ということになります。
 前立腺肥大症のテーマでも以前に触れましたが、主な症状は次の通りです。進行がんとなり転移する場合にはリンパ節と骨の症状が多くなります。

  1. 尿が出にくい
  2. 尿の回数が多い
  3. 排尿後にまだ膀胱に尿が残っている感じがする
  4. 夜間頻尿
  5. 排尿したいと思ったらトイレに行くまで我慢できない
  6. 下腹部不快感
 以上のような前立腺肥大症の諸症状から泌尿器科受診して、がんが発見されるケースがほとんどです。
 診断には画像診断、直腸診によりがんが疑われる場合に前立腺生検が行われて最終的診断となります。その他採血でPSA、前立腺特異抗原と呼ばれる腫瘍マーカーが早期発見に役立ちます。
 これは前立腺肥大症でも上昇することもありますが、4~10np/mlという数字ではグレーゾーンと呼ばれ、定期的な受診により経過観察が必要になります。
10np/ml以上ではその50~80%にがんが発見されています。早期発見のためにまずは健診を!

前立腺がんの腫瘍マーカー

前立腺は男性特有のもので、ここで精液の主成分が作られています。この前立腺にがんが発生して前立腺がんとなります。

 若年での発症は家族性以外はまれで、加齢とともに増加し50歳以上で発症する場合が多くなります。

 欧米人での発症率が高く、食生活上の違いが背景にあるとされていますが、人種的には米国黒人男性で最も高い発症というデータがあります。続いて白人、アジア人となります。

 しかし、近年日本でも食生活の欧米化に伴い急増しています。困ったことに他のがん同様に早期症状に目立ったものはありません。比較的早期で症状があったとしても、そのほとんどは併発する前立腺肥大症に伴う症状ということになります。

 前立腺肥大症のテーマでも以前に触れましたが、主な症状は次の通りです。進行がんとなり転移する場合にはリンパ節と骨の症状が多くなります。
  1. 尿が出にくい
  2. 尿の回数が多い
  3. 排尿後にまだ膀胱に尿が残っている感じがする
  4. 夜間頻尿
  5. 排尿したいと思ったらトイレに行くまで我慢できない
  6. 下腹部不快感
以上のような前立腺肥大症の諸症状から泌尿器科受診して、がんが発見されるケースがほとんどです。

 診断には画像診断、直腸診によりがんが疑われる場合に前立腺生検が行われて最終的診断となります。その他採血でPSA、前立腺特異抗原と呼ばれる腫瘍マーカーが早期発見に役立ちます。

 これは前立腺肥大症でも上昇することもありますが、4~10np/mlという数字ではグレーゾーンと呼ばれ、定期的な受診により経過観察が必要になります。

 10np/ml以上ではその50~80%にがんが発見されています。早期発見のためにまずは健診を!

2011年12月6日火曜日

応用範囲の広い がん新薬

がん細胞:増殖を半減させる酵素特定 東大チーム

がん細胞の増殖速度を半分に抑える酵素を、東京大先端科学技術研究センターの児玉龍彦教授と大沢毅・特任助教(システム生物医学)らのチームが特定した。この酵素は、ほとんどのがん細胞にあり、応用範囲の広い新薬になる可能性がある。米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

がん細胞は、正常細胞に比べて、低酸素や低栄養状態になりやすく、新しい血管を作って、栄養を確保している。

 チームは、人やマウスのがん細胞の栄養状態をさらに悪化させて、細胞内の成分を調べた。その結果、「ヒストン脱メチル化酵素」と呼ばれる酵素が生じていることを突きとめた。

 その上で、子宮(頸、けい)がんや皮膚がんなどさまざまながん細胞にこの酵素を注入し、マウスの皮下に移植した。すると、この酵素が血管の伸びを鈍らせたため、酵素を加えた細胞は、酵素なしのがん細胞に比べ、増殖の速さが半分から5分の1に抑えられた。

 大沢さんは「がん細胞の中で、この酵素の働きを高める技術を開発したい」と話す。

 2011年12月6日 毎日新聞

がん増殖を半分に抑制するがん新薬

がん細胞:増殖を半減させる酵素特定 東大チーム

がん細胞の増殖速度を半分に抑える酵素を、東京大先端科学技術研究センターの児玉龍彦教授と大沢毅・特任助教(システム生物医学)らのチームが特 定した。この酵素は、ほとんどのがん細胞にあり、応用範囲の広い新薬になる可能性がある。米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 がん細胞は、正常細胞に比べて、低酸素や低栄養状態になりやすく、新しい血管を作って、栄養を確保している。
 チームは、人やマウスのがん細胞の栄養状態をさらに悪化させて、細胞内の成分を調べた。その結果、「ヒストン脱メチル化酵素」と呼ばれる酵素が生じていることを突きとめた。
 その上で、子宮(頸、けい)がんや皮膚がんなどさまざまながん細胞にこの酵素を注入し、マウスの皮下に移植した。すると、この酵素が血管の伸びを鈍らせたため、酵素を加えた細胞は、酵素なしのがん細胞に比べ、増殖の速さが半分から5分の1に抑えられた。
 大沢さんは「がん細胞の中で、この酵素の働きを高める技術を開発したい」と話す。
 2011年12月6日 毎日新聞