2017年2月22日水曜日

機能性表示食品にβグルカン成分が拡大

パン酵母や黒酵母、キノコ類、さらには大麦、オーツ麦などに含まれる多糖類群の機能性成分を指す「βグルカン(ベータグルカン)」。

欧米では食品の機能表示が先行していたため、2000年代から米国のアメリカ食品医薬品局(FDA)や欧州食品安全機関(EFSA)が、「冠動脈疾患リスク低減」、「コレステロールや血糖値の上昇抑制」に関して、の高い機能性があることを紹介していた。

特に純度が高いパン酵母由来のβグルカンβグルカンに関しては、「免疫サポート」「抗がん剤の副作用低減」など多岐にわたる機能性が注目され、各種研究機関による多くのエビデンス(検証結果の証拠)が広く認知されている。

日本国内でもようやく始まった「機能性表示食品制度」では、大麦由来βグルカンを関与成分とした商品の「コレステロール低下」の機能性が訴求され、大塚製薬やはくばく、永倉精麦などがで届出て商品が販売されている。

以降、スーパーマーケットなどでも“大麦βグルカン”の文字が並ぶようになり、「βグルカン」が消費者の目に触れる機会は急激に増加した。

このような状況下に、パン酵母系のβグルカンを取り扱う企業の中には、「免疫領域」での届出を目指す動きが出てきたことは特筆されるべきだろう。パン酵母のβグルカンの歴史は案外と古く、「生体防御機能」や「腸管免疫機能」に関連する機能性研究が数多く実施されているのだ。

「機能性表示食品制度」においては「免疫」に関しての直接的な表現は難しいため、「抗疲労」や「抗ストレス」などの表現が模索されている模様だ。

このようなβグルカン(ベータグルカン)の機能性表記が許可されたならば、これを追い風に、βグルカンの市場拡大が拡がることで利用者の拡大が見込まれている。

がんに効く機能性表示食品」が流通する日も近いかもしれない。

2016年3月22日火曜日

胃がんの原因となる細菌とウィルスを世界初解明

胃がん発病の主原因の疑いが大きかったピロリ菌が出す有害物質が、特定された。
さらに、その有害物質の発ガン活性を抑制する物質と、このがん抑制物質を邪魔してしまうウィルスも発見された。

ピロリ菌が出す発がん性物質は「タンパク質CagA」。
この発ガン物質CagAはピロリ菌によって産出され、胃の細胞内に注入されることで、
胃がんが発症する原因となる。しかし、酵素の一種である「タンパク質チロシンホスファターゼ(SHP1)」が胃の中にあれば、発ガン物質CagAの発ガン活性が抑制されるのだ。

しかし、この酵素SHP1のがん抑制機能も、「EB ウイルス(エプスタイン・バール・ウィルス)」というウィルスが存在すると、働きが鈍くなってしまう。

胃がんを予防・抑制するためには、「ピロリ菌」を除菌し、「EBウィルス」を駆逐することが有効であると判明した。

胃がんの発症に際して、がん細菌と発がんウイルスが連携している事実を解明したのは世界初で、東京大学と千葉大学による共同研究の成果とのこと。

近い将来に有用な胃がん予防薬や治療薬へ応用されることが期待される。

2016年1月29日金曜日

スマホやパソコンでできる がん検診

息を吹きかけるだけで、(がん)や糖尿病を診断できる高精度センサーが開発され、2022年には実用化される見通しとなった。

「息の臭い」に含まれている微量の物質を高精度で判別できる小型センサーが開発されたのだ。センサーは「数ミリ四方の小さいチップ」で、搭載された「膜」が呼気の特徴を検知し、がん患者の呼気に含まれている『特有の物質』の有無を検知することで、がんの診断をする仕組み。センサーを含む部品が汎用化されれば、スマホやパソコンなどの周辺機器やアクセサリーとして利用することも可能になり、個人が簡単にグラフや数値でがん検診が可能となる。

「小型がん検知センサー」は国立研究開発法人の物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市)が中心となって開発し、京セラ、NEC、住友精化、大阪大、スイスの精密機器メーカーと合同で実用化を進めている。

がん検診が非常に手軽に個人でできるようになるため、がん抑制対策として非常に期待が大きい。

2013年11月20日水曜日

すい臓がん,肝臓がん,肺がん,乳がんに効く食品

米国のロバートHルリーがんセンターが、発見したすい臓がんに効く食品は、「ナマコ」。

ナマコは英語で"Sea cucumber"つまり「海のきゅうり」と呼ばれるが、日本では中華料理の食材として知られている。

中国では何百年も前からナマコを漢方薬として利用してきたが、その効果は関節炎や炎症性疾患、頻尿、強壮(ED)だった。

米国での実験では、 膵臓(すいぞう)がんのがん細胞に、ナマコのエキスを掛けたところ、がん細胞の増殖が止まっただけでなく、 5分以内にがん細胞が全て死滅したのだ。

また、乳がんの細胞に対しては、ナマコが免疫システム中の細胞を活性化して、乳がん細胞を攻撃することが確認された。

これらの実験によって、ナマコのガン治療への効果が判ったのだ。

これらの抗がん効果は、ナマコに含まれている「フロンドシドA」という成分が有効であると判った。ナマコのフロンドシドAは、 95%の乳がん細胞、90%の黒色腫細胞、90%の肝臓がん細胞、 88%の肺がん細胞を死滅されることが実験で確認されており、副作用も無い。

現在では、ナマコの抽出液はサプリメントとして、液体や粉末化されて抗がん剤治療に利用されている。

2013年10月8日火曜日

がん転移を完全抑制できる仕組みと物質を新発見

がんの転移を防ぐ物質が発見され、既にマウス実験ではガン転移をほぼ完全に抑える薬効が確認された。

がんは原発臓器から血液に乗って他の臓器に転移してしまう。乳がん,大腸がんが、肺や骨に転移してしまうのが、典型的なガン転移だ。

しかし、がん研究会がん化学療法センターが がんの転移を防ぐ化合物を開発した。

がん細胞が身を隠して別の臓器に移る仕組みを突き止め、発見した化合物の作用によって、ほぼ完全に抑え込む実験にマウスで成功したのだ。今後は新薬を人間の体内でも働くよう改良し、5年後を目処として、がん患者への臨床試験(治験)を開始する予定。

がん治療の画期的な新薬発見となる可能性が高く期待が高まっている。

2013年10月7日月曜日

治験開始の小児がん新がん治療法とは

小児がんに対する新しい治療法の治験が始まる。

ペプチド療法は、免疫力を利用した新しいがん治療法で、手術、放射線、抗がん剤に続く、第4のがん治療法への期待が高まっている。

今回の治験は、小児がんへのペプチド療法の効果を検証するため、3種類のたんぱく質断片(ペプチド)を混ぜて薬剤として小児がん患者へ投与し、約1年かけて重い副作用がでないかどうかを確認する。副作用が少なく、治療効果が確認できれば、延命効果を確認する治験の第2段階に移る予定だ。

子供を対象にした免疫療法の臨床試験(治験)は、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で実施される。

2013年10月2日水曜日

未来のがん治療装置の新型機開発

効果が高く、副作用の少ないがん治療装置の導入機数が増え、 治療費が安くなる可能性が高まっている。

陽子線を使ったがん治療装置は、がん患部に集中させやすく、肺がん肝臓がんなどのがん治療に効果が高い。新型の陽子線がん治療装置は、照射するビーム線量を3倍以上にすることで、照射時間を最も短い場合で従来の4分の1の約30秒にできようになった。

さらに新型機は従来装置に比べて小型化できたことで、従来の約70%の大きさとなり、旧来は40~50億円と言われた導入費用が大幅に低減されると見られる。

新型の陽子線がん治療装置を開発したのは三菱電機。 2013年度中に厚生労働省に製造販売の承認申請を提出し、早期に販売が開始される見込みだ。

一方、日立製作所でも陽子線がん治療装置を開発中で、高機能の新型機は2014年秋には、北海道大学病院で治療が始められる予定。

未来のがん治療装置と見られていた陽子線がん治療だが、多くの医療機関に導入されていくことで、費用も安くなり、多くのがん患者が安く治療に利用できるようになる日も近いだろう。